公開日:2023/09/01

現在は免税事業者ですが、2023年(令和5年)10月1日からインボイス発行事業者(課税事業者)になります。10月1日以降は適切な消費税区分を使って仕訳を入力することになると思いますが、9月30日以前については如何でしょうか?



会計期間が2023年(令和5年)10月1日を跨ぎ、且つ10月1日以降に課税事業者になる場合は、課税事業者となる日の前日以前(免税事業者の期間)の仕訳の消費税区分は、借方・貸方ともに「810:課税対象外」で入力されている必要があります。

TACTiCS財務には「免税」の区分が無いため、そのままの設定で入力すると免税事業者の期間中の仕訳にも「110:課税売上」や「511:課税売上対応課税仕入」などの消費税区分が使用されます。

仕訳を入力する都度消費税区分を「810:課税対象外」に変更することや、[初期設定>科目設定]の消費税区分を「810:課税対象外」訂正するといった対処も考えられますが作業が大変です。

TACTiCS財務には「仕訳置換」機能がございます。免税事業者期間中の仕訳もそのままの消費税区分で入力を続け、期末まで入力が完了した時点でこちらの機能を利用して一括で「810:課税対象外」に訂正することをお勧めします。

尚、置換処理実行前には、必ずデータのバックアップ(「データ選択」画面の「F2:コピー/貼り付け」や「F6:保存」など)を確保するようお願いいたします。バックアップデータは1年間を通して課税事業者だった場合の納税額のシミュレーション用にお使いいただくことも可能です。


◎2023/10/01に免税事業者から課税事業者になる場合の消費税区分の置換手順
《注意事項》
以下のご説明は、
仕訳金額を「税抜入力」(金額欄上段に本体価格を入力すると消費税額が下段にセットされる入力方法です。上下段の合計金額が取引金額になります。)した仕訳が存在しない場合の処理手順です。税抜入力仕訳が存在する場合は、必ずこちらの説明をお読みください。

@[日常処理>仕訳帳]を開いて「検索」ボタンを押下し、「期首〜2023/09/30」を期間指定して検索を実行します。


A仕訳帳に期首から2023/09/30の仕訳が抽出表示されます。「メニュー>仕訳置換」をクリックします。


B「仕訳の置換」が開きます。「借方科目」「貸方科目」「税コード」にチェックし、「置換後の仕訳」の「税」に「810」を入力して「F12:仕訳置換」をクリックします。確認メッセージで「はい」を選ぶと置換処理を実行します。


C置換処理が完了すると以下のメッセージ(※)が表示されますが、@で指定した期間の仕訳はすべて「810:課税対象外」に置換されています。「OK」をクリックします。

※「普通預金/現金」や「減価償却費/建物」のように、置換前から借方・貸方両方の消費税区分が「810:課税対象外」の仕訳が置換できなかったことのお知らせになります。


◎税抜入力仕訳が存在する場合の事前準備
仕訳金額を税抜入力した仕訳が存在する場合は上記@〜Cを実行する前に以下の手順で処理するようお願いいたします。

1.[日常処理>仕訳帳]を開いて「検索」を押下します。
2.「検索条件の設定」画面で「消費税:税抜仕訳」にチェックして検索を実行します。
3.表示された仕訳を訂正します。金額欄に上下段の合計金額(税込金額)を入力して「F2:税込」を押下してください。


インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった方を対象に、2023年(令和5年)10月1日から2026年(令和8年)9月30日までの日の属する各課税期間においては売上税額の100分の80を仕入税額控除の金額とする、いわゆる「2割特例」が設けられています。TACTiCS財務では「2割特例」への対応は2023年9月中旬にリリースする『TACTiCS財務23消改版 Ver15.1.0』で行います。


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